じんましん
じんましんとは?
じんましん(蕁麻疹)は、赤みとかゆみがある膨疹という「皮膚の部分的なふくらみ」が出没する病気です。
全身のどこの部位にも起こり、その形や大きさ、持続時間はさまざまですが、病型によって一定の傾向があります。
多くの場合は、数分〜数時間で消えて、場所を変えて出没します。
じんましんは小児の皮膚アレルギー疾患のなかではよくみられる病気です。
どんな原因で起こるの?
じんましんは、皮膚にある細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、膨疹が誘発されて起こります。
じんましんに関与する直接的誘因と背景因子として次のようなものがあります
直接的誘因
外来抗原
物理的刺激
発汗刺激
食物
薬剤
運動 など
背景因子
抗原感作(特異的IgE)
感染
疲労・ストレス
薬剤
基礎疾患 など
じんましんの機序として「 I 型アレルギー」が知られていますが、実際には原因として特定の抗原を同定できることは少なく、物理的刺激や薬剤、運動などの刺激に誘発されるものや、明らかな誘因がなく膨疹が出現するものがあります。
じんましんの多くの場合は、複数の因子が複合的に関与していると考えられます。
直接的誘因は曝露されると速やかに膨疹を生じることが多いのに対し、背景因子は体の感受性を高める面が強く、膨疹が出現するまでに時間的に隔たりがあることが多いとされています。
じんましんの分類について
日本皮膚科学会の「蕁麻疹診療ガイドライン 2018」では次のように分類しています
Ⅰ. 特発性
明らかな誘因がなく起こるもの
急性蕁麻疹
発症してから6週間以内のもの
慢性蕁麻疹
発症してから6週間以上つづくもの
数か月〜数年にわたって長く続くことがある
Ⅱ. 刺激誘発型
特定の誘因が明らかなもの
アレルギー性
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
非アレルギー性
アスピリン蕁麻疹
物理性蕁麻疹
コリン性蕁麻疹
接触蕁麻疹
Ⅲ. 血管性浮腫
皮膚や粘膜の深部の浮腫
個々の皮疹は2、3日と持続することが多い
かゆみがないことがある
Ⅳ. 蕁麻疹関連疾患
蕁麻疹様血管炎、色素性蕁麻疹、Schnitzler症候群およびクリオピン関連周期熱症候群
病型の特徴について
急性じんましん
小児のじんましんでは、特発性の急性じんましんが多く、特に「かぜ」など感染症に伴うものが多くみられます。
アレルギー性のじんましん
食物アレルギーの多くは、特定の食物抗原に対する特異的IgEを介した即時型アレルギー反応です。
通常は抗原への暴露後、数分〜数時間以内にじんましんが生じます。
ときに重篤なアナフィラキシーショックに至ることがあります。
物理性じんましん
皮膚の機械的擦過、寒冷、日光照射などにより生じるものを物理性じんましんと言います。
通常は出現後、数分〜2時間以内に消退します。
コリン性じんましん
入浴、運動、精神的緊張など、発汗刺激や体温上昇が加わったときに生じるじんましん。
皮疹は粟粒大〜小豆大までの癒合傾向のない膨疹や紅斑が出現します。
皮疹は出現後、数分〜 2時間以内に消退することが多い。
診断と検査について
まずは皮疹を確認します
皮疹が膨疹か、かゆみを伴う紅斑であり、24時間以内に出没することを確認します。
受診時に皮疹が消えていることも少なくないので、写真を撮っておくのも良いでしょう。
病型と重症度を判断します
次に病型と重症度を判断し、それに応じた治療を行います。
原因や誘因が判明した場合には、回避・除去を行います。
血液検査のアレルゲン特異的IgE抗体検査の有用性は、食物アレルギーが疑われる場合などに限られています。
治療について
基本的な治療
抗ヒスタミン薬の内服を行います。
内服期間は数日~1週間が目安です。
症状が強い場合
症状が重篤で速やかな対応が必要な場合には、注射の治療を行うことがあります。
次のような症状を伴う場合は、すぐに受診または救急対応が必要です。
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息が苦しそう
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顔やくちびる、まぶたが大きく腫れる
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ぐったりしている、意識がもうろうとする
皮疹以外の複数臓器にも重篤なアレルギー症状を呈する「アナフィラキシー」の場合は、アドレナリンの緊急投与が必要です。
再発を繰り返す場合
原因や誘因が明らかであればその回避・除去を行います。
さらに抗ヒスタミン薬の内服を行います。
皮疹が6週間以上持続する慢性じんましんでは、抗ヒスタミン薬の内服を継続することが推奨されています。
治療期間は発症2か月以内であれば1か月間、発症2か月以上経過していれば2か月間が目安とされています。
数年間にわたって長期に治療が必要になることがあります。
日常生活での注意点
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じんましんが出ている場合は、入浴や運動は皮疹やかゆみを悪化させることがあるため、シャワーで短時間にしましょう
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感染症にかかったり、疲労やストレスは悪化因子となります。
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無理な運動や夜更かしは控え、しっかり休養をとることも大切です
保護者の方へ
小児のじんましんは比較的よくみられる病気であり、治療によって多くは数日〜数週間で治ります。
発症するとしばらくは再発しやすいため、お薬をすぐにやめずに指示に従って治療を続けましょう。
一部ではじんましんをくり返し、数か月〜数年間にわたって長引く場合があります。
原因がはっきりしないことも多く、血液検査の有用性は食物を除いて限られています。
慢性じんましんでは抗ヒスタミン薬の治療継続が重要です。
じんましんでお困りのことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
