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チック症

チックとは

チックとは、突発的に急速かつ不規則に繰り返される運動や発声のことで、それぞれ「運動チック」「音声チック」といいます。

また持続が短くシンプルな「単純チック」と、持続時間がやや長くて目的があるように見える「複雑チック」に分けられます。

これらの組み合わせで4種類のチックが考えられ、この中では単純運動チックが最も多くみられます

 

単純運動チック

顔面に起きるものが多く、中でも目に起こるチックが最も多くみられます

まばたき、横目をする、目を回す
口を開ける
鼻をヒクヒクさせる

など

単純音声チック

咳払い
鼻を鳴らす、鼻をすする
「ア」などの声を発する

など

複雑運動チック

顔の表情を変える
地団駄をふむ
ものを触る
自分の身体を叩く

など

複雑音声チック

単語や文を発する
コプロラリア(汚言症)

社会的に不適切な、卑猥な言葉などを発すること

エコラリア(反響言語)

他の人が言った言葉などをくり返すこと

パリラリア(反復言語)

自分の言った言葉などをくり返すこと

など

チック症群とトゥレット症

チック症群

チックがみられる症候群をチック症群といいます。

多くはチックの持続期間が1年未満の「暫定的チック症」です

トゥレット症

チック症群のなかでも、18歳以前に発症し、多彩な運動チックと音声チックがあり、1年以上続くものを「トゥレット症」といいます。

 

チック症群の原因については、脳内神経伝達物質の関与が考えられています。

親の育て方や本人の性格が根本的な原因ではないことを理解することが大切です

 

症状の特徴

「わざと」ではありません

チックは本人の意思とは関係なく勝手に出てしまうものですが、部分的に、または一時的には抑えることが可能です。

ただし、チックが出る前にムズムズするとか、チックを出すとスッキリすることがあり、この感覚は前駆衝動と呼ばれます。

そのため、本人の意思で完全に止めることはできません。

 

増えたり減ったりします

チックはその種類、頻度や程度が変動します。

変動には、特にきっかけがないこともあれば、心理的または身体的状態によることもあります。

チックが増えやすいとき
不安や緊張が増大していくとき
強い緊張が解けたとき
楽しくて興奮したとき
疲れているとき
チックが減りやすいとき
緊張度が安定しているとき
集中して作業しているとき
眠っているとき

 

これらの特徴を知っておきましょう。

 

発症時期と経過について

4〜6歳に発症することが多い
単純運動チックがみられることが多い
多くは1年未満でおさまる
長く持続する場合に単純音声チック、複雑運動チックが加わっていくことがある
複雑音声チックは10歳代に起きることが多い
重症度のピークは10〜12歳であることが多い
成人期までに消失や軽快していくことが多い(6〜9割)
少数では成人後も持続したり、再発することがある

 

併発症について

チック症には精神神経疾患を併発することがあります。

特にトゥレット症ではそのほとんど(8〜9割)が併発症を持ちます。

 

チック症の代表的な併発症

注意欠如・多動症(ADHD)

チックの出現前くらいからみられることが多い

強迫症

チックの重症度のピーク以降に目立ってくることが多い

強迫行為(やらずにはいられない行為)が複雑運動チックと似て、区別がむずかしいことがある

 

治療について

チック症の治療は「チックの重症度」と「併発症の程度」によって方針を立てます

 

チックが軽症な場合

心理社会的治療

家族ガイダンス心理教育、必要に応じて環境調整を行います。

チック症のことをよく知り、症状を持ちつつも本人が発達しながら社会に適応していくことを目指します。

本人と家族や、教師などの周囲の人々がチック症のことをよく理解することが治療の基本となります。

チックを本人の特徴のひとつとして受け止め、チックのみにとらわれず、長所を含め本人全体を考えて受容することが大切です。

認知行動療法

ハビットリバーサルなどの方法が有効なことがあります。

チックをしたくなったときに、それとは相容れない動作をするように訓練をする方法。

まばたきのチックをしたくなったときに、一点を凝視してまばたきしないように意識する、など

 

チックが重症な場合

心理社会的治療

治療の基本として心理社会的治療を行い、より積極的に環境調整に取り組みます。

薬物療法

多くの場合は、薬が必要になるほどチックがひどくなることはありません。

とはいえ、チックの動きのために食事がとりにくい、字が書けない、大きな声が出るので学校に行きたがらないなど、日常生活で困ることがある場合は薬で軽くすることが期待できます。

一度飲み始めたらずっと飲まなければならないものではなく、症状がやわらげば中止することもできます。

認知行動療法

必要に応じて検討します。

 

併発症が重症な場合

チック症と併発症とで優先度を考えて対応を検討します。

この場合も心理社会的治療を基本にしつつ、薬物療法と認知行動療法を検討します。

 

最後に

チック症の多くは、1年未満でおさまる単純運動チックで、お薬は必要ないことがほとんどです。

また、チックをするのは親の育て方のせいでもなく、その子がわざとやっているのでもありません。

必要以上に心配したり叱ったりせずに、これもその子の特徴のひとつだと思って受け止めてあげてください。

多くは成人までに起きなくなったり軽くなっていきますので、気長に待ちましょう。

それでも、もし気になることや困ることがあればご相談ください。

お子さんとご家族が安心して日常生活を送れるよう、一緒に考えていきましょう。

 

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