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自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症とは

自閉スペクトラム症(ASD)は、「社会的コミュニケーションの障害」、「興味や行動への強いこだわり」とそれに基づく行動の障害を主な特徴とする神経発達症です。

ASDは人種や民族にかかわらず、世界中に広くみられています。ASDと診断されるひとはおよそ100人に1人の割合であり、男の子に多く見られる傾向があります。

原因はまだはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な影響が非常に大きいと考えられています。特に生まれつきの脳の機能障害が原因と考えられています。

ASDには併発する症状が多く、早めに気づいて支援していくことがとても大切です。

自閉スペクトラム症の症状

ASDの症状は大きく分けると2つあります。

  1. 社会的コミュニケーションの障害
  2. 興味や行動への強いこだわり

1. 社会的コミュニケーションの障害

人とのかかわりや、コミュニケーションに関する困難さがみられます。

  • 言葉の遅れ
  • オウム返し
  • 会話が成り立たない
  • 視線を合わせることが少ない
  • 名前を呼んでも反応しない
  • 1人遊びが多い、ごっこ遊びをしない
  • 身振り手振りが少ない
  • 例え話や冗談が理解できず、文字通りに受け取る

2. 興味や行動への強いこだわり

同じ動作を繰り返す、興味にかたよりがある、こだわりがある、感覚過敏あるいは鈍麻などがみられます。

  • 同じ遊びや動作を繰り返す
  • 決まった順序(道順)やものの位置などにこだわる
  • 些細な変更に抵抗する
  • 限定的で固執した興味がある(電車、魚、地図、図鑑など)
  • 音や光などの感覚刺激に対して過度に過敏あるいは鈍感
  • 食べ物の好き嫌いが強い
  • 抱っこや触られるのを嫌がる

自閉スペクトラム症の診断について

ASDの診断は、米国精神医学会「精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5-TR)」に基づいて行われます。

  1. 社会的コミュニケーションの障害(3つ)
  2. 限定された反復する様式の行動、興味、活動(2つ以上)
  3. 症状は発達早期に存在している(後になって明らかになる場合もある)
  4. 症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている
  5. 他の障害ではうまく説明できない

また診断には、生育歴、行動観察、心理検査などを用いて総合的に診断を行います。ASDの診断補助ツールとして、「PARS」、「CARS」、「ADI-R」、「ADOS-2」などがあります。

自閉スペクトラム症の治療・支援

ASDそのものを治す治療法はまだ確立していません。そのため、日常生活の機能をさまたげたり、生活の質を悪化させるような症状を軽減することを目的として、治療や支援を行います。

その子どもの発達、学習、社会性を促進し、不適応行動を減らし、家族を教育し支援することが、目的の達成に役立ちます。そのために、子どもの保護者、医師、学校の教師、療育の専門家が連携して支援していくことが重要です。

支援方法としては、行動的介入(応用行動分析)、認知行動療法、教育的介入(TEACCH)、言語療法や作業療法が役立ちます。

またかんしゃく、パニック、攻撃的行動や睡眠障害、注意欠如・多動症、てんかんなどが併存している場合、それに対して薬物療法が検討されることがあります。

自閉スペクトラム症の合併症・併存症

ASDにはさまざまな合併症や併存症があることが知られており、その70%以上が精神疾患を持っていると報告されています。併存や合併しやすい疾患は、知的発達症、注意欠如・多動症(ADHD)、不安症、睡眠障害、抑うつ障害、強迫症、てんかんなどが挙げられます。

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