異物誤飲
異物誤飲について
赤ちゃんは成長とともに、身の回りのものに強い興味を持ち、なんでも口に入れて確かめようとします。
手が届くものは何でも誤って飲み込んでしまう可能性があります。昨日までは届かなかった場所でも、今日には手が届いているなんてことも…
赤ちゃんの成長に合わせて、ご家庭の安全対策を見直していきましょう。
たとえば、3歳の子どもが口を開けた時の大きさは約4cm、喉の奥までは約5cmです。それより小さいものは、簡単に口の中に入ってしまいます。
誤飲時の救急受診のポイント
以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- よだれが多く、口を開けたまま苦しそうにしている
- 咳き込みが多い
- 嘔吐を繰り返す
- 吐物に血が混じっている
- お腹を痛がる
- 便に血が混じっている
電話での相談窓口
以下の相談窓口があります。
中毒110番(日本中毒情報センター)
・大 阪(24時間):
072-727-2499
・つくば(24時間):
029-852-9999
とよた急病・子育てコール24
電話番号(24時間):
0120-799192
誤飲したものによる危険度と対応
極めて危険なもの(危険度 ★★★★)
ボタン電池
リチウム電池は特に危険です。
複数の磁石
お腹の中で磁石どうしがくっついて、胃や腸に穴が開くことがあります。
灯油、ガソリン
誤って気管に入ると肺炎を起こします。吐かせずにすぐ受診しましょう。
高い危険があるもの(危険度 ★★★)
釘、画鋲(鋭利なもの)
危険が高いためすぐに受診しましょう。
しょうのう、ナフタリン(防虫剤)
少量でも危険です。なにも飲ませてはいけません。吐かせずにすぐ受診しましょう。
パラジクロロベンゼン(防虫剤)
少量であればあまり問題ありませんが、大量に食べた場合はすぐに受診しましょう。吸収が早くなるため、牛乳を飲ませてはいけません。
油性絵の具
牛乳を飲ませてはいけません。
マニキュア、除光液
誤って気管に入ると肺炎を起こします。吐かせずにすぐ受診しましょう。
液体蚊取り
誤って気管に入ると肺炎を起こします。なにも飲ませてはいけません。吐かせずにすぐ受診しましょう。
ホウ酸団子
1/4個以上食べると中毒の危険があります。
塩素系漂白剤、トイレ・排水パイプ用洗剤
粘膜がただれてしまい、危険です。少量でも口にした場合は、吐かせずにすぐ受診しましょう。
生石灰(乾燥剤)
水に触れると熱を発して口や食道の粘膜をやけどします。なにも飲ませてはいけません。吐かせずにすぐ受診しましょう。
中程度の危険があるもの(危険度 ★★)
たばこ
小さなお子さんでは、たばこ1本に含まれるニコチンが致死量になります。2cm未満であれば様子をみることも可能です。なにも飲ませないようにしましょう。
香水
エタノールが高濃度に含まれているため、酔っぱらってしまうことがあります。5ml以上飲んだときは受診しましょう。なめた程度であれば自宅で様子をみることもできます。吐き気がなければ水分を取らせてもかまいません。
台所用洗剤
弱酸性・弱アルカリ性・中性であれば毒性は高くありません。少量であれば口をすすいで様子をみましょう。
ほとんど心配のないもの(危険度 ★)
紙、クレヨン、水彩絵の具、粘土、シャボン玉液
危険性は低く、少量であれば問題ありません。
化粧品
エタノールが含まれているため、大量に飲むと酔っぱらってしまうことがあります。少量で症状がなければ様子をみましょう。
口紅、クリーム製品
油性成分があるため、大量に食べると吐いたり下痢することがあります。少量であればほとんど心配ありません。
石鹸、シャンプー
毒性は高くないため、中毒の心配はほとんどありません。自宅で様子をみましょう。もし吐いたり、腹痛があれば受診しましょう。
芳香剤
ゲルや粒状の製品は心配ありません。液体製品を大量に飲んだ場合は受診しましょう。
シリカゲル(乾燥剤)
消化管から吸収されないため、ほとんど毒性はありません。小さな包装の量であれば、食べても中毒の心配はありません。
体温計の水銀
体温計の水銀は金属水銀で、かつて水俣病を引き起こした有機水銀化合物とはちがうものです。体内にはほとんど吸収されずに便に排泄されます。
蚊取り線香
含まれる殺虫成分の量は少なく、ほとんど心配ありません。ただし使用中であればやけどに注意しましょう。
*心配なときは迷わず相談・受診してください。
家庭での予防のポイント
- ボタン電池は子どもの手の届かない場所に保管しましょう。
- ボタン電池を使う製品のフタが外れやすくななっていないか確認しましょう。
- 強力磁石入りのおもちゃは使用を控えましょう。
- おもちゃは年齢に合ったものを選びましょう。
- きょうだいのおもちゃの誤飲にも注意しましょう。
- おもちゃを片づける際に、数を確認する習慣をつけましょう。