とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひ(伝染性膿痂疹)とは?
「とびひ」は正しくは「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」という皮膚の細菌感染症です。掻きむしったり、皮膚の傷に触れることで、まるで ”飛び火” するかのようにあっという間に広がるところから「とびひ」と呼ばれます。
原因と症状
とびひには、以下の2つのタイプがあります。
水ぶくれができやすいタイプ
ブドウ球菌が原因です。
乳幼児〜小児に多く、特に夏に増えます。
あせもや虫刺され、湿疹などを掻きこわしたり、ケガの傷が化膿してとびひになります。
鼻の入り口には細菌が多く存在するため、鼻をよく触るクセがある子は、鼻の周りからとびひが広がったり、その手で掻いたりしたところがとびひになったりします。
赤い発疹ができ、水ぶくれになって、それが破れてびらんになります。
厚いかさぶたができるタイプ
溶連菌が原因です。
小児より大人に多く、季節を問わず発症します。アトピー性皮膚炎に合併することもあります。
比較的急に発症し、赤み、膿疱、びらん、厚いかさぶたなどがみられます。
発熱や喉の痛み、リンパ節の腫れなどの全身症状が出ることもあります。
治療について
症状が軽い場合は、抗菌薬の軟膏を塗ります。大きな水疱ができた場合などは、皮膚の処置が必要になることもあります。
適切に治療すれば、通常は4〜5日で改善します。
症状がなかなか治らない場合は、使っている抗菌薬が効いていないことがあるため、軟膏を変更します。
また範囲が広い場合は、内服の抗菌薬を追加します。
アトピー性皮膚炎がある場合は、強い痒みを和らげるために抗ヒスタミン薬を併用することもあります。
ご家庭での注意点
日常生活で気をつけること
手洗いをしっかり行いましょう
爪を短く切り、皮膚をひっかかないようにしましょう
鼻をよく触るクセがあるお子さんには、触らないように指導しましょう
入浴について
入浴は皮膚を清潔にするために大切です。
とびひができているときは湯ぶねに入らず、シャワーでよく流すようにしましょう。
泡立てたせっけんで皮膚をやさしく洗い流します。
入浴後は患部に軟膏を塗りましょう。
滲出液が出てジュクジュクしているときは、ガーゼなどで保護します。
他のきょうだいなどと同時に入浴したり、同じバスタオルで拭くことは避けましょう。
登園・登校について
とびひの病変部がガーゼなどで覆われて、他の人の肌に接触しない状態であれば、登園・登校は可能です。
ただし、病変が広範囲に及ぶ場合や、発熱などの全身症状がある場合は、休ませる方がよいでしょう。
プールについて
とびひが治るまでは、プールや水泳は禁止です。
プールの水でうつることはありませんが、肌と肌が触れたり、病変部が接触することで感染することがあるため、しっかり治るまでは控えましょう。